綴ろうここよりもっと先へ

Viajar a Europa/Viajar en Europa/Viajar por Europa 違いわかりますか?

Viajar a Europa?  Viajar en Europa?  Viajar por Europa?

 

 

 


本日のテーマは前置詞。「そんな小さなこと気にするな!」と言われるかもしれませんが、それでも侮れないのが前置詞です。上の3つの「a」「en」「por」の違いって説明できますか?「どれでも良いよ」と思ったそこのあなた!今日の記事はそんなあなたに読んでもらいたいのです!

 

ネイティブにこの違いを聞くと「どれもほぼ一緒」と言われるかもしれませんね。自分もそう言われたことがあります。実はネイティブも感覚で使っているのでなかなか説明できないのです。この3つはかなり似通っているものの微妙な違いがあります、本日はネイティブがどういう感覚で使っているのかを解説いたします。それでは1つずつ紐解いて行きましょう。

「a」

 

「a」のイメージは英語の「to」(〜へ)と同じです。これは到達点を意味します。つまり「viajar」(旅行)の「目的地はここだよ」ということを指し示す言葉なのです。

そうつまり旅行の目的地はヨーロッパという意味なのです。この場合の旅行は出発地が日本なら日本からヨーロッパへの道中もこの旅に含まれるのです。「to」と同じ意味なので英語が分かる人は簡単ですね。

「en」

それでは「en」のイメージを見ていきましょう。そうなんです。中にあるというイメージでなのです。(厳密的には少し違いますが、今回は便宜的に理解しやすいのでこれで説明します。)これは英語の「in」(〜の中)と同じです。「viajar en Europe」はヨーロッパ内を旅行するという意味です。「to」との違いは?と思われるかもしれませんね。この場合、明確な目的地もスタート地点もないのです。つまりヨーロッパ内のどこかでスタートしてどこかで終わるというイメージです。なのでヨーロッパ在住の人が使うとしっくりくる言葉でもあります。これも英語の「in」と同じなので英語が得意な人は簡単だったかもしれませんね。 

「por」

さあ、最後の「por」です。これはちょっと困った前置詞です。英語の前置詞とカチッと嵌るものが実は無いのです。「por」のイメージ図はこんな感じです。

「あっち!」

「何だ。"a"と同じじゃないか!?」と思ったあなた! 実は違うんです。「あっち」なんです。目的地ではないのです。「えっ」「どういうこと?」「ヨーロッパが目的地?」いや、そうではないんです。この「por」は日本語で強いて言うなら「〜方面」「あっちの方」という意味なのです。つまり「viajar por Europa」は「ヨーロッパ方面の旅行」「ヨーロッパ、あっちの方を旅する」という意味なのです。

 

これは「en」と比べると分かりやすいです。「あっち」とは方角を指し示す言葉です。「アバウトに指し示す」言葉なのです。「en」は明確にヨーロッパ内という意味があり、その境界線ははっきりしています。ところが「por」だと「あっち」なので境界線は曖昧です。「ヨーロッパ方面の旅」となればその周辺国にも寄る可能性はあるのです。他の国に立ち寄る可能性もありヨーロッパが大体の目的地ではあるものの通過点という可能性もあります。「大体その辺」「そっち方面」「通過点」これが「por」のコアイメージです。

故にスペイン語で「こちらへどうぞ」(This way,please)は「Por aquí, por favor」と言います。この「por」は方角と「大体この辺を通って下さい。」のニュアンスなのです。このコアイメージから「por」には「大体」、つまり英語の「about」「around」という意味があります。他に派生して次のように言います。「por el verano」(夏ごろに)「Eso está por País Vasco」(バスク地方のあたりにそれはあるよ)。

 

さて少し鼻が高くなったところで、今度、ネイティブの方がうまく説明できなければ、こちらから教えてみるのもありではないでしょうか(笑)?

 

【まとめ】

如何でしたか?「a」や「en」は英語を勉強した人には分かりやすいですが、「por」にはカチッと当て嵌まる英語の前置詞はありません。このコアイメージや感覚はネイティブには当たり前のことなので我々、ノンネイティブに体系立てて教えることは簡単ではありません。ましてやヨーロッパの言語ではない「日本人に」となれば尚更です。

当サイトの添削サービスはスペイン語ネイティブが添削し、ネイティブが教えられないこうしたギャップを熟練日本人が日本語で解説することで埋めています。この2つのアプローチこそが言語を学ぶ上で我々はベストだと考えています。ぜひご興味ある方は無料の体験コースもあるのでお試し下さい。